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医療の窓

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岐阜県岐阜市

■隠れ脂肪肝にご注意を!~肝硬度測定検査のご案内~
岐阜市民病院林秀樹がん診療支援部長
♥隠れ脂肪肝とは?
これまで全く症状がなく元気に生活していた人が健康診断を受けたら、血液検査では異常がないのに脂肪肝が見つかった、それが隠れ脂肪肝です。脂肪肝の原因はアルコールによるものと非アルコール性のものがあり、非アルコール性では肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に伴うものが最も多く、極度の低栄養、ある種の薬剤などによっておこる場合もあります。非アルコール性の脂肪肝のほとんどが肝臓に脂肪がたまっているだけの脂肪肝(NAFL〈ナッフル〉)ですが、一部の脂肪肝は次第に肝臓の細胞が炎症によって壊れていく非アルコール性脂肪肝炎(NASH〈ナッシュ〉)を発症する場合があります。

♥脂肪肝炎(ナッシュ)はどんなリスクがあるの?
ナッシュは次第に肝硬変や肝がんに進展するおそれがあり、生命の危険性がある疾患ですが、ほとんど自覚症状はありません。ですから早期診断は非常に重要ですが、診断には針を刺して肝臓の一部を採取することで、出血や痛み等のリスクを伴う肝生検を行う必要がありました。しかし、最近では、痛みを伴わない検査で診断が可能となってきました。ナッシュになると肝臓の細胞は破壊され、次第に肝臓は固くなるため、肝臓の硬さ(肝硬度)を測定すれば早期の段階で診断することが可能というわけです。MRエラストグラフィという撮影技術を搭載した3T(テスラ)MRI装置と、超音波を利用したフィブロスキャンという検査装置によって、肝硬度を調べることが可能です。

♥『MRエラストグラフィ』と『フィブロスキャン』について
MRエラストグラフィは、おなかの上に振動を送る器具をのせて肝臓をゆらし、肝臓を通過する波(振動波)をMRI装置で測定することにより、肝硬度を調べる検査です。全国で39施設、東海3県では市民病院を含め2施設で検査可能です(2019年5月現在)。
また、フィブロスキャンは、右わき腹から肝臓に弱い振動を与え、その振動波が肝臓の中を伝わる速度や量を超音波で測定して、肝臓の硬さと脂肪の量を同時に調べることができる検査です。全国で113施設、東海3県では10施設、岐阜県では市民病院でも検査可能です(2019年5月現在)。
脂肪肝と言われたことがある人は、決して放置しないでください。今回、ご紹介した検査をご希望の方は、一度かかりつけ医にご相談ください。

問合せ:市民病院消化器内科外来
【電話】251-1101(内線2220)

       

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