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市長の元気宅配便332 平成29年10月1日号

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岐阜県岐阜市

日本では平均寿命が年々長くなり、2015年現在、女性86-99歳、男性80-75歳と世界でも屈指の長寿社会となっています。その結果、2015年の日本の高齢化率 (65歳以上の高齢者の割合) は26%を超え、2060年には38%を超えると予測されています。つまり日本人の5人に2人が高齢者という時代が目の前に迫っているのです。また健康意識の高まり、食生活や生活環境の改善、医学や薬学の進歩などもあり、高齢者の身体機能や知的機能も劇的に若返っているようで、10~20年ほど前に比べ10歳程度若返っているという研究成果もあるようです。
政府は先日 「人生100年時代構想会議」 を立ち上げました。19歳の学生起業家や82歳のゲームアプリ開発者を含む13人からなるこの有識者会議では、人生100年時代とも言われる超高齢社会における日本人の働き方、学び方などについて突っ込んだ議論がなされるようです。そのメンバーの中でとりわけ私が注目したのが、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授です。彼女は最近 「ライフ・シフト‐100年時代の人生戦略」 という著作を発表、私も大変興味深く読ませてもらいました。この本では、従来人生というものは教育を受ける時代、仕事をする時代、引退後のんびりと休養しながら暮らす時代という3つのステージで考えられていたが、人生100年時代ではこの単純な3つのステージではなく、 教育、 仕事、 休養などという各ステージを多様に組み合わせたマルチ・ステージの人生へシフト (ライフ・シフト) することが必要になると説きます。家族や友人、スキルや知識、健康などといった、お金以外の資産 (無形資産) の重要性、余暇の時間を自分に対する投資に使うこと、夫婦の役割分担の見直しなど薀蓄 (うんちく) に富んだ話が満載です。興味ある人はぜひ一度本書に目を通されることをお勧めします。人生100年時代を生き抜くためには生きがいづくり、居場所づくりも大切なテーマです。岐阜市では今年度 「ぎふスーパーシニア」 の皆さんに学びの場を提供するため長良川大学に 「スーパーシニア学部」 を新設、この学部のスーパーシニア教育学講座で学んでいただいた方にはコミュニティ・スクールで子どもたちにその知識や経験を伝授いただく場も用意しています。気が遠くなるような100年という人生を生き抜くために不可欠なものは 「覚悟」 「好奇心」 「健康」 「向上心」 、中でも一番大切なのは 「楽しむこと」 「楽しいこと」 ではないでしょうか。今から人生100年時代の生活設計を立て、有意義な人生を送ろうではありませんか。

       

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